ハザン省には全部で18の民族が生活していると言われています。ほとんどの民族は、中国にルーツを持っていますが、みな、言葉も文化も少しずつ違います。一つの省(日本の一つの県ぐらいに相当)にこれだけの他民族が共存しているというのは、日本の社会ではちょっと考えられないし、とても興味深いことだと思います。
モン族は、ベトナム北西部の特に標高の高い山間部に広く居住しています。サパのあるラオカイ省の黒モン族、花モン族が有名ですが、ハザン省ドンバン高原一帯のモン族は、白モン族と呼ばれ、厳しい生活環境に適応した独自の文化・生活様式を持っています。
ベトナムの少数民族の中では、一番人口の多い民族で、比較的標高の低い、農作地に適したところに居住しています。典型的なタイ族の生活様式は、高床式の家に住み、米作のほか、多種多様な野菜作りをしています。鶏やアヒル等、家畜の飼育に加え、魚の養殖をしている家も多いです。
ザオ族もベトナム北西部一帯に広く居住している民族で、モン族同様、比較的標高が高いところに集落を作りますが、モン族よりはやや低めの地域が多いです。日常、民族衣装を着る習慣が比較的残っています。
ベトナム54の民族の中で、とくに、人口の少ない民族の一つです。ハザン省を中心に、5ヵ所の集落のみに居住しています。女性の民族衣装は、ベトナムで一番美しいともいわれています。
ルーツ、言語的にはタイ族に近いと言われていますが、タイ族に比べ、辺境地域に住んでいることが多いです。
急峻な斜面を開墾し、彼らが造り上げてきた棚田は、ベトナム各地域の棚田と比較しても、ひときわ、段差があります。
一般のベトナム人と同化している人が多いですが、ハザン省の一部地域では、まだ、民族衣装が残っています。
ハザン省と、となりのトウェンクアン省のみ、居住地区があります。火の上をはだしで飛び跳ねて、火を消していくという火祭りが有名です。